シナモン

シナモンは、世界でももっとも古くから知られているスパイスのひとつで、ほのかな甘い香りと、種類にもよりますがかすかに感じる辛味が特徴のスパイスです。

クスノキ科クスノキ属の熱帯性常緑樹のうちの数種類、芳香性にすぐれた樹皮を乾燥させたものを利用します。代表的なものはセイロンシナモンとカシアで、スリランカ、インド、中南米、中国、東南アジアなどで栽培されています。イギリスではシナモンとカシアは法律で区別するように決められているそうですが、ほとんどの国では同じものとして扱われています。

セイロン・シナモンは、シナモンの中でも最高品質とされ、爽快感のある上品な香りと甘味があります。セイロン・シナモンの幹皮を削り取ってから内側の樹皮に縦に切れ目をいれ、中の芯をきれいに取り除いたものを日干しにします。乾燥するにつれて薄い樹皮がクイル(QUILL)と呼ばれる細い管状に丸まっていきます。おなじみのスティック状のシナモンは、このクイルを何枚か重ねたものを適当な長さにカットしたものです。樹皮が滑らかで淡黄色のものほどグレードの高いものとして出荷されています。本来シナモンとはこちらの品種のみを指しています。

カシアは少し辛味があり香りも雑なので、スパイスとしての品質はセイロンシナモンより劣りますが、安価なためこちらのほうが多く出回っています。

日本では古来、日本肉桂という品種が「にっき」の名で使われてきましたが、これはシナモンとは別の種類の木で、風味も若干異なります。現在日本で流通しているのは輸入されたセイロンシナモンとカシアで、ほとんどのものは区別されずどちらも「シナモン」として流通しています。


シナモンの持つ甘い香りとかすかな辛味は、素材の持つ甘味や香りを引き立てます。りんごやさつま芋、かぼちゃとはとても相性がよく、ヨーロッパではお菓子や甘い味付けの料理に使われます。インドではカレーやピラフなどに、アラブ諸国ではマトンやひき肉を使った料理に、メキシコではコーヒーに使うのがポピュラーです。スティック状のシナモンをそのまま使ったミルクティー、砂糖と混ぜたシナモンシュガーをのせてトーストしたシナモントースト、フレンチトースト、カプチーノなどにも使われます。日本では和菓子の八つ橋に使われているのがお馴染みです。料理に使うと肉の臭みを押さえる効果があります。


シナモンは殺菌作用があり、感染症対策に効果があるとされています。また、身体を温める働きや、消化を助けす働きもあります。ただ、妊娠中は使用を控えたほうがいいようです。

漢方薬としては「桂皮」または「肉桂」の名で使われています。
発汗、解熱、鎮痛、健胃、抗菌、頭痛、鼻炎、腹痛、腹部膨満などに効果があるとされています。



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